「2016大阪ハーフマラソン」 野尻さんの完走記です

大阪ハーフマラソンを走ってきました

和歌山の野尻(ブラインド)です
1月31日、福士加代子選手(ワコール)が2時間22分17秒の高記録で優勝した第35回大阪国際女子マラソン。同時に開催された「2016大阪ハーフマラソン」に、どめっちさんに伴走していただき、出場しました。
1年前から、「今シーズンはハーフの90分切りを」と、ひそかに大きな目標にして練習してきました。
競走レースでもなければ自分が設定した目標にも関わらず、1月に入って今日が近づくにつれて、これまでにないような不安を感じ始めました。
和歌山国体が終わった11月から、長居公園で、90分切りに必要なキロ4分15秒のペース走に挑戦。何としても達成してやろうと強く心に刻みながら、色々とイメージトレーニングもしながら本日を迎えました。
今日の夕方はどんな状態で帰宅するのだろうと思いながら、今朝自宅を出ました。
今日は絶好のラン日和です。陸連登録組のおかげでAブロックからスターとできるのですが、それでもなお少しでも前に並ぼうと、1時間あまり前から整列します。いつもは寒くて仕方ないのですが、本日は寒さを感じないどころか、日差しが強くて「これは走ると暑いなあ」と思うくらいの天候です。
12時10分に、6000人のランナーが大阪城をスタートです。
3キロ、4キロ辺りは4分7秒前後で刻み、スタートのロスを一気に解消です。でも、自分にとっては、まるで駅伝ペースのような、こんなペースで続くはずがありません。とにかく前半からきつくてきつくて…。
西に向かって走り北浜で折り返して、6キロの手前で南に向かいます。ここはやや下りが続きます。鶴橋、桃谷の駅前を通過、沢山の沢山の沿道からの声援です。
9キロ過ぎで、同時刻に長居ヤンマースタジアムをスタートした女子マラソンのランナーたちとすれ違います。福士選手がトップのようです。
10キロ手前で東に進路を取り、JR環状線の高架をくぐります。「やっと半分だ」と思うのですが、ほとんど気持ちに余裕もなく、ゴールは果たしてやってくるのだろうかといった印象です。
11キロ過ぎで右折して勝山通りを南に向かいます。懸命にキロ4.15を刻みながらも、少し向かい風が出てきたのでしょうか。
14キロで右折、松虫通りを西に走ります。ここは少し上っている感じで、もう体も限界で、かなり走れている感じなのにキロ4分20秒辺りまで落ちています。「まだ6キロもあるのか…」、絶望的な気持ちになります。
90分は切れなくてもここまでくればなんとか自己ベストは出せるだろう…などと、少し言い訳も考えながら、弱気になるのですが、「後は気合だけですよ」と、どめっちさんの激励。
16キロ手前で左折して我孫子筋を南に、ひたすらの直線です。
息絶え絶えに後ろをついてくるランナーがいます。ここまでくると、みんな気力で走っているのだなあと。
もう距離も何も考えるまい、無の境地と言えばとても言いすぎかもしれませんが、にぎやかなはずの喧噪が「静かだなあ」と感じます。そうすると不思議なもので、JRの高架をくぐり、もう長居センター前の交差点を通過です。
ペースもキロ4分一桁まで戻し、我慢の限界は超えているのですが、とにかく残りは、ただ気力だけ。
我孫子筋を離れ、やがて長居公園内の走路に入ります。いつも練習で走っているところなので、距離感も手を取るようにわかるのですが、とにかく苦しい。そして残り1キロを通過。いつもは向かい風が強烈ですが、今日はそれがありません。ありがたいかぎりです。
ついにマラソンゲートが近づいてきました。ここにきて、ものすごい声援が聞こえます。右折してスタジアムに入ります。
「あと300メートルですよ」と、どめっちさんの掛け声。
300メートルというわずかの残りを頭に考えたとき、急に足が動かなくなりました。必死にもがくように前へ前へ。いやいや、トラック4分の3周が本当に長かったですねえ。
前を行くセッキーさんにあと10数メートル届かず。
ゴール後はしばらくもう動けません。
1時間29分27秒。
「ものすごく大きな壁を越えた」と、だんだんと実感が沸いてきました。
こんな苦しいレースは経験がないですが、後半あきらめなかったこと、気力が最後まで継続できたことが本当に嬉しいかぎりです。またひとつ、大きな自信になりました!
どめっちさんには本当に感謝感謝です!!
沢山の応援を、本当にありがとうございました!
そして本日走られた皆さん、大変お疲れ様でした。
また今後とも伴走を、よろしくお願いいたします。

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