さっちゃんが、堺市の平成30年度、市長表彰・職員栄誉表彰・善行部門にて表彰されました。
表彰式の様子は、こちら堺市のホームページ内「市長の動静」ページで紹介されています。
http://www.city.sakai.lg.jp/shichoshitsu/topics/h31/douse_topics_h3102/dousei_topics_h3102_03.html#cms390BD
おめでとうございます。
2000年の堺シティマラソンで、タマセブンさんと10キロを走ったのがさっちゃんの初伴走だそうです。
今年20周年のわーわーずとほぼ同じ歩みの長さですね。
写真:堺シティマラソンを走るタマセブンさんとさっちゃん
手話の習得に熱心なさっちゃんは、盲ろうランナーはもちろん、すべてのブラインドランナーさんから頼られていますが、このたびの表彰に、ランタナさんが感謝の感想文を贈ってくださいました。
以下に掲載します。
さっちゃん、おめでとうございます。そして、ありがとうございます。
さっちゃんのご報告を読ませていただきながら、昨年12月に大阪城を伴走していただいた時の感動を思い出していました。
さっちゃんに初めてロープを持っていただいたのはマラニックだったと思いますが、大会伴走は2017年の大阪城でのロイヤルデーランでした。そして昨年のロイヤルデーランでも伴走をお願いして、一緒に走っていただきました。昨年の秋から体調を崩している私は、もうフルは走れないかもと思いながら、行ったり来たりのコースなので、もし走れなくなってもすぐやめる事が出来ると言う逃げ場を、自分の中で言い訳を作りながら参加させていただきました。
ゆっくりスタートしたものの、20キロも走っていないのに、ピクピクと痙攣の予兆が始まりました。
エイドを真ん中に右の方向へ走りUターンしてエイド、そして左方向へと言うコースなので、エイドが近づくと「もう、やめようかな」とさっちゃんに言うと、「もう無理なんでしょうか?」と訊いてきます。エイドで痙攣止めを飲んで皆の応援を励ましに「もうちょっと行こうかな」と言うと、さっちゃんが「そうですね、今度のエイドまで行きましょう」といってくれて、目標をだいたい30キロと決めましたが、とうとう37キロまで頑張りました。
そのあいだ痙攣は続きますが、歩いたり、ゆっくり走ったり、痛みがないときにはスピードを上げたりと、本当に伴走者のさっちゃんに我慢をしいり、励まし続けて頂きながら、37キロくらいの所がエイドだったので皆さんに「もうこれで終わります」と伝えたら、「あと5キロ、まだ50分あるから行っといで」と、あちこちから声がかかりました。
私がどうしようかと中途半端な気持ちでいると、さっちゃんが「行けるのでしたら行きましょう」と言ってくれます。50分あったらなんとかなるかな?と思い、最後の5キロへ向かいました。1キロくらいは調子よく、これならいけると思ったとたん、痙攣、止まったり、歩いたり。なんとか折り返しましたが、ここからが経験したことのない地獄の始まりでした。
もう痙攣止めも全く効きません。もうタイムオーバーは決定でした。
痛みが来ると、さっちゃんの手を掴み握り締めました。痛みが緩和すると少し走りますが直ぐ強烈な痛みが来ます。さっちゃんの手を握り締め、痛みが和らぐと歩き出し、少し走る、その繰り返しの中、ゴールで待っていてくださる方たち、スタッフの方たちのことを気にしながら、申し訳ないと繰り返す私に、さっちゃんは「大丈夫です、まにあいますよ」と言い続けてくださいました。
あと1キロの遠かったこと。ずっと、ずっと私の泣き言を聞きながら、励まし続け、力の限り握り占められる痛みに耐え、きっとさっちゃんの手は腫れていたのではと思うくらいでした。
走り終わったとき「陣痛の時のように痛かったわ」と軽口言いましたが、本当に痛かったのです。さっちゃんの手を握り締めてなんとかゴールしましたが、もう、さっちゃんへの感謝と待っていてくださったみなさんへの感謝で涙が溢れました。
今まで沢山の大会を走ってきましたが、マラソンは大会名じゃない、場所でもない、応援の数でもない、その時を懸命に走らせていただくことのありがたさに「ありがとう」をなんど言っても言い足りない思いを再確認させていただきました。
最後の5キロを1時間20分以上かかっていたと思います。
さっちゃん本当にありがとうございました。最後に改めまして本当におめでとうございます。
写真:100マイルクラブさん主催『ロイヤルデーランinおおさか』(2018.12.23)
スタート前のランタナさんとさっちゃん。
100マイルクラブさんのアルバムはこちら。
▼スタート前の集合写真
http://japan100mile.com/sns/modules/myalbum/photo.php?lid=10387&cid=1
▼フルラストでランタナさん・さっちゃんのゴール
http://japan100mile.com/sns/modules/myalbum/photo.php?lid=10407&cid=1
さっちゃんご本人に近況をうかがいました。
とくべつ表彰者のオーラをまとうこともなく普段流。
ですが、ひたむきに課題と挑戦に取り組む毎日をすごされています。
課題のひとつは、ずっと通っている手話講座。
現在、手話通訳の難しさと格闘中。
挑戦は今年初めて、100キロを伴走されるそうです。
しかし100キロはパートナーのかたにも、そして、さっちゃん自身にも初めての距離。
この大きな挑戦に備えて、ブラインドさんと早朝練習をされているとか。
つねにチャレンジ!
でも肩肘張らない自然体が、さっちゃんの持ち味。
今回の名誉ある表彰をマイルストーンに、これからも、いつまでも、よろしくお願いします。