2015年12月6日、京都市西京極陸上競技場補助競技場で行われた第9回京都陸協記録会(日本陸連公認競技会)において、5000mに出場した和田伸也選手は15分50秒87をマークし、自身が持つ同種目(男子T11クラス)の日本記録を1秒07更新しました。
なお、この大会はIPC(国際パラリンピック委員会)公認競技会ではありませんので、自身の持つアジア記録更新とはなりません。
[参考]和田選手の5000mの日本記録(男子T11クラス)更新の軌跡
2011年10月10日 16分10秒26 関東選手権(上尾)
*従来の日本記録は16分49秒26
2012年9月7日 15分55秒26 パラリンピック(ロンドン)
*アジア記録/銅メダル
2013年4月13日 15分51秒94 大阪陸協記録会(長居第2)
2015年12月6日 15分50秒87 京都陸協記録会(西京極補助)
以下は、和田君の感想レポートです。
2015年度第9回京都陸上競技記録会5000mに出場して
2015年12月6日(日) 西京極陸上競技場サブトラックにて
2組目13時15分スタート
10月のIPC陸上競技世界選手権ドーハ大会で銅メダルを獲得して、好結果を残して帰ってこれたのは大変喜ばしいことでありましたが、記録はといえば、16分31秒04と、自身の持つT11日本記録には遠く及びませんでした。
10月のドーハは、蒸し暑いタフなコンディションでしたので、それはしかたのないところはありましたが、この間、夏合宿などでも、せっかく5000mに向けた強化、厳しいトレーニングにも取り組んできていましたので、
この秋・冬のトラックで5000mの記録を狙おうと準備していました。
前日の12月5日の大阪陸協記録会にもエントリーしていましたが、伴走の皆さんの都合や、自分の体調などからこちらは回避し、12月6日の京都陸協に1発かけようと気合をいれました。
前日は棄権し、自宅周辺で調整でした。
伴走は、2014仁川アジアパラ3冠伴走のI君です。
I君には、これまでにも国内の記録会で伴走をお願いすることが多く、15分台も3度マークでき、記録更新の立役者です。
2013年4月にT11の日本記録を更新した時もI君のガイドでした。
組37人で走るという大混雑レースを、もうなんて言ったらよいか分かりませんが、今回も巧みなロープさばき・位置取りでした。
最初は20人くらいの先頭集団の一番後ろについていました。
前半、目標ペースくらいのかなりイイペースで、よしよしと思っていましたが、3000mくらいで少し集団のペースが遅くなって、ちょっとこれでは記録が出ないなあと思っていたところ、徐々にあげてあげて、ラスト1000mのときには、先頭の二人の真後ろに入ることができました。
I君も、たぶん、ラスト1000mは先頭もあげてくるからしっかりついていこうと声をかけてくれ、よし、と心の準備をして、4000mを通過していきました。
4000mを12分48秒から49秒くらい、これは目標よりもちょっと遅れていましたが、その分、力はためられていました。
残り900mのホームストレートにきて、前の2人、お互いに様子を見ているのか、あまりあげてきません。
なら、こちらからいくかと、I君もちょっとしかけが早いかと思ったそうですが、いや、ここで一気に前へ出るとロープで合図し、ラスト2周に入る手前で一気にトップに立ち、そのまま突き放していこうとギアをかえました。
ついてくるかなあと思いましたが、ここでのスパートが想定外だったのか、すぐに離れてくれて、ぐんぐんオレの体も動き、そのままフィニッシュ!!
ラスト1周も最後まで失速することなく、気持ちよくゴールお駆け抜けると、2年8ヶ月ぶりの自己ベスト!!15分50秒87、1.07秒更新でした。
おお、間に合った、あそこであげてよかったと、気持ちよかったです。
いつも皆さんにはたくさん応援していただき、大変感謝しています。ありがとうございます。
5000mでは、この2年くらい記録に悩み、アキレスけんやかかとの具合にも悩んできましたが、ようやく、アキレスけんの状態も元に近いくらいに戻ってきて、そして、ようやく記録も戻ってきました。
リオデジャネイロパラリンピックも近付いてきています。
またここからしっかりあげていき、ロンドンパラリンピックに続き、2度目のパラリンピック出場、そして、世界一を目指してがんばっていきたいと思っています!!
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
以上です。