「はじめてのフル伴走」
11月5日に開催された淀川市民マラソン、
同学年のよしみで小山さんから伴走のお声がけいただき、
小山さんの「初フル」を「初フル伴走」で一緒に挑戦させていただきました。
小山さんの盲学校の同級生でライバルの藤井さんとの宿命の対決もあり、
互いに負けられないレース展開でゴールまで死闘が続きました。
大会の公式記録は両者ともに5時間49分00秒とまったく同じタイムでしたが、
フルマラソンの部の男女含めた総合順位は、
3803位 小山さん
3804位 ――さん(もう一人、同じタイムの方がおられました)
3805位 藤井さん
と小山さんが勝利で宿命の対決を制しました。
ゴールラインを切るとき
藤井さんのガイドのすぎちゃんが先に入ったように見えたので
負けたと思いましたが、
ランナーのゼッケンのICタグで計測する公式記録は
小山さんが先にゴールしていたのです。
小山さん、おめでとう!
年齢差(藤井さんとすぎちゃんのペアは85歳に対して、われらは121歳)や
ガイドの圧倒的な力の差(経験豊富なすぎちゃんに対して、私は初心者マーク)など
ハンディを跳ね除けての勝利、お見事です。
「初フル」と「初フル伴走」のペアで挑戦した今回のレースを振り返ると、
今まで自分が単独で走ったどのレースよりも楽しく爽快な気分で走ることができ、
走り終えた後の達成感は格別で「自分たちをほめたい」と心から思い、
小山さんと同じ完走証が欲しくて無理をお願いしてプリントしてもらいました。
初フルと初フル伴走で共に戦って勝ち取った完走証は、私たちの何よりの宝物です。
(撮影:たかちゃん)
走る前は「歩いてでも這ってでも制限時間内のゴールをめざしましょう」だったのが、
いざ走り出すと「ゆっくりでもいいから最後まで歩かずに走りましょう」に変わり、
そして34キロポイントが見えると「残り、長居公園3周(2.8キロ×3)」になり、
「あと2周」「あと1周」「あと半周」「一枚目の鉄蓋」「二枚目」と声をかけあい、
最後の最後まで互いに今のベストを尽くしてゴールすることができました。
実のところ、走り終えた後は、
格別の達成感でレースの勝ち負けなんてどうでもいいと思っていました。
でも、たとえ同タイムでも、勝っていたことがわかると素直に嬉しいです。
といっても、それはレースに勝利した結果やその日の激走に対するものでなく、
小山さんと一緒に積み重ねてきた「練習が報われた」ことに対する喜びです。
顧みれば、伴走のお声がけに二つ返事でお引き受けしたものの、
単独でもフルを走り切る力がないのに無責任に引き受けたことを後悔し、
7月末に開かれた伴走講習会に参加したときに、
長居駅でたまたま出会ったムーランさんや
講習会の会場でたまたま前の席に座られた初対面のすみたくさんに、
フルの前半後半で伴走の交代をお願いしたぐらいお粗末な状態でした。
そんな根性なしのへなちょこガイドでしたが、
小山さんの励ましに伴走の「覚悟」を決め、
8月から長居公園で小山さんと一緒に秘密の特訓が始まりました。
練習を始めた当初は、距離は伸びず、スピードは上がらず、
このままではどうなることかと思いましたが、互いに励まし合い、
カメはカメなりに切磋琢磨して練習を積み重ねました。
小山さんと一緒に練習した後シャワーで汗を流しながら
「ああ、きょうも自分ながらよくやったなあ」と
満ち足りた気分を味わせていただいたのも懐かしい思い出です。
あの練習した日々の満足感があったからこそ、
本番のレースでは、エイドで給水する以外は一度も立ち止まることなく、
レース後半で周りのランナーが歩き出しても自分たちは走り続けられ、
30キロを過ぎてもスピードは落ちず、むしろ加速してランナーをごぼう抜き、
そして毛馬の大堰を渡って再び堤防の下に下りた後のレース終盤では、
ロープを持った互いの握りこぶしを突き合わせて、
力の限りを尽くしてゴールまで走り抜けることができたのだと思います。
あのへなちょこガイドのみやちゃんを、
一緒に練習して伴走者として育ててくれた小山さんには心から感謝です。
また、有用なアドバイスや力強いご声援をいただいた皆さんにも心から感謝です。
長居わーわーずのおかげで、走力だけでなく、人間的にも成長したように思います。
小山さんと二人で121歳、まだまだハナタレ小僧です。
「初フル」と「初フル伴走」で完走を果たしたことに満足することなく、
大吉さんやランタナさんをはじめ人生の大先輩の皆さんを目標に、
さらに頑張っていきますので引き続きのご指導よろしくお願いします。
「Theライバル対決」
2組4名さんそれぞれの完走記・伴走記もぜひご覧ください。
- 小宮山ペア・ブラインド:小山さんの完走記
- 小宮山ペア・ガイド:みやちゃんの伴走記
- 杉リュウペア・ブラインド:藤井さんの完走記
- 杉リュウペア・ガイド:すぎちゃんの伴走記